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海外駐在員の読書ノート

海外駐在員です。仕事のため、自分のため日々読んだ本をシェアしていきます。

 

働き方はこの先どうなるのか? [働く]

ロンドンビジネススクールのリンダ・グラットン教授の
ワーク・シフト ─孤独と貧困から自由になる働き方の未来図<2025>』を読みました。

経営学というよりは社会学に近い本で、
・テクノロジーの発展
・グローバル化
・人口構成の変化と長寿化
・個人、家族、社会の変化
・エネルギーと環境問題
という5つのトレンドを踏まえて、
働き方の未来を描き出しています。

様々な会社や組織の方とのディスカッションを通じて、
形成された働き方の未来図を
ネガティブなもの、ポジティブなものに分けてみせてくれるのですが、
それは結構良くできているなぁと思い、興味深く読みました。

と同時に、クリエイティブなもの、グローバルなものに偏りすぎており、
ドメスティックなもの、ローカルなものが詳しく描かれていないかなとも思いました。

もちろん、これらは単なる未来予測であり、
転換期にあるとされる現代では人々が迫り来る未来に備えて、
どのように働き方をシフトするかがポイントになってきます。

そのシフトの中身が
・ゼネラリストから「連続スペシャリスト」へ
・孤独な競争から「協力して起こすイノベーション」へ
・大量消費から「情熱を傾けられる経験」へ
という3つ。

確かに筋は通っているのですが、
それを私たちが今置かれている現実に落とし込もうとすると
どうもうまくいかないんですよね。

世代にもよるのでしょうが、
実際に自分の専門性を磨き続け、
しかも、別の専門に向けてシフトしていくことというのは
そうそうできることでもないです。

また、イノベーションを生み出せるような
ネットワークを作っていくことというのも簡単ではない。

大量消費ではなく、経験重視というのは
徐々に成立してきているような気はしますが、
2つはまだまだ不透明ですよね。

日本社会に当てはめてみると疑問もあるのですが、
教育の問題もあるのかもしれませんし、
企業も本書が提案しているようなものを受け入れる準備が
できているわけではないですよね。

本書はあくまで社会学的な分析としてとらえていくのがいいのかなと思いました。
働き方の提案として有益なのも事実ですが、
エリート向けというかスマートに活躍するクリエイティブ層向けの傾向が強いですから、
あまり万人向けとは言えなさそうです。



タグ:働き方
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