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海外駐在員の読書ノート

海外駐在員です。仕事のため、自分のため日々読んだ本をシェアしていきます。

 

カテゴリー:働く

『なぜ7割のエントリーシートは、読まずに捨てられるのか?』を読んでみた! [働く]

海外で暮らしていて、
今は帰ってきたわけですが、
日本の就職活動って特殊だなぁって
いつも思います。

最近だと「オワハラ」なんて言葉も聞かれますが、
学生側も企業側もなんか謎なんですよね。

確かにどちらかというと企業側の方が
ハラスメントしている側なんでしょうけど、
延々とよりよい就職先を探そうとすることが
本当に学生の将来にいいことなのかどうかは全然わからないわけです。

なんだかんだいって学生は企業を外から見ることができないわけですから。

どこを落とし所にするのかは難しい問題ですが、
今の状況は決して生産的なものではないのは間違いないです。

さてさて、今回読んだ本は海老原嗣生さんの
『なぜ7割のエントリーシートは、読まずに捨てられるのか?』です。

タイトルは過激ですが、中身は普通です。

面白いのは企業人事経験者を中心としたコメントが多く掲載されていることですね。

筆者の主張を裏付けるコメントを集めて説得力を高めているといったらそれまでですが、
人事の側から見ていない就活本と比べればよほど良心的です。

筆者はどちらかというと日本的な経営のよさを認めているように感じますので、
その辺のバイアスがかかっているなと思って読むべきなのですが、
いわゆる就活ノウハウ本の影響を受けすぎない為には必要な視点だと思います。

日本ではやっぱり新卒で就職することが一番有利なのは事実ですから、
就活で大騒ぎする現状は避けられません。
とはいえ、就活の裏にあるからくりはもっと白日の下にさらされるべきです。

就活で疲弊する学生をいたずらに増やさないよう
多くの人に手に取ってほしい本ですね。



「就活」について考える [働く]

海外駐在から帰ってきました。
これだとブログのタイトルも変えないといけないですね。

「元・駐在員の読書ノート」でしょうか?

さてさて、日本に帰ってきてみて
やっぱり感じるのは本の多さ。

正直海外にいたころはその辺をもって
日本の知的水準は高かったんだなと思ってたりもしました。

少なくとも私がいた国にはそんなに本がなかったですからね。

今の見解は少しずつ変わってきていますが、
今回は最近読んだ本について。

『宮台教授の就活原論』ですね。
海外にいて日本の変わったところをいろいろ感じますが、
その大きな一つが就職活動。

受験戦争もすごかったのでしょうが、
就職活動もすごいです。

その就活について宮台氏が論じたのが本書。

日本社会の独自の分析を踏まえた就活論は
個人的には納得のいくものでした。

社会学の知見をふんだんにもちいるなど
社会学のことを知らない人には
とっつきにくいかと思いますが、
それはそれ。

確かに就職活動している学生には薦められませんけど、
文系の大学2年生ぐらいなら読んでほしいですね。

宮台氏の提言には違うのではと思うところもありますが、
最近の就活本の内容などへの批判はごもっともだと思いますし、
就職活動のあり方、日本の仕事の仕方などへの疑問も
「確かに!」と思うことが多いです。

とはいえ、どうするかについては
もっと議論が必要なのかなと思っています。

引き続き考えていきたいですね。


タグ:就職活動
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働き方はこの先どうなるのか? [働く]

ロンドンビジネススクールのリンダ・グラットン教授の
ワーク・シフト ─孤独と貧困から自由になる働き方の未来図<2025>』を読みました。

経営学というよりは社会学に近い本で、
・テクノロジーの発展
・グローバル化
・人口構成の変化と長寿化
・個人、家族、社会の変化
・エネルギーと環境問題
という5つのトレンドを踏まえて、
働き方の未来を描き出しています。

様々な会社や組織の方とのディスカッションを通じて、
形成された働き方の未来図を
ネガティブなもの、ポジティブなものに分けてみせてくれるのですが、
それは結構良くできているなぁと思い、興味深く読みました。

と同時に、クリエイティブなもの、グローバルなものに偏りすぎており、
ドメスティックなもの、ローカルなものが詳しく描かれていないかなとも思いました。

もちろん、これらは単なる未来予測であり、
転換期にあるとされる現代では人々が迫り来る未来に備えて、
どのように働き方をシフトするかがポイントになってきます。

そのシフトの中身が
・ゼネラリストから「連続スペシャリスト」へ
・孤独な競争から「協力して起こすイノベーション」へ
・大量消費から「情熱を傾けられる経験」へ
という3つ。

確かに筋は通っているのですが、
それを私たちが今置かれている現実に落とし込もうとすると
どうもうまくいかないんですよね。

世代にもよるのでしょうが、
実際に自分の専門性を磨き続け、
しかも、別の専門に向けてシフトしていくことというのは
そうそうできることでもないです。

また、イノベーションを生み出せるような
ネットワークを作っていくことというのも簡単ではない。

大量消費ではなく、経験重視というのは
徐々に成立してきているような気はしますが、
2つはまだまだ不透明ですよね。

日本社会に当てはめてみると疑問もあるのですが、
教育の問題もあるのかもしれませんし、
企業も本書が提案しているようなものを受け入れる準備が
できているわけではないですよね。

本書はあくまで社会学的な分析としてとらえていくのがいいのかなと思いました。
働き方の提案として有益なのも事実ですが、
エリート向けというかスマートに活躍するクリエイティブ層向けの傾向が強いですから、
あまり万人向けとは言えなさそうです。



タグ:働き方

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